アクセシビリティ(accessibility)とは、広義には誰もが支障なく利用できる仕組みのこと、 狭義には高齢者、障害者が支障なく利用できる仕組みのことを言います。 ウェブサイトにおいては特にウェブアクセシビリティとも言います。 W3Cでは、ユニバーサルデザインを基に、ユニバーサルアクセスという目標を掲げています。
ウェブサイトは誰でも閲覧できる便利なメディアですが、 閲覧するサイドの環境に依存するメディアです。 例えば、WindowsのInternet Explorerでは全く問題なく閲覧できるサイトも、 MacintoshのSafariで見るとレイアウトが崩れていたり、全く表示されない場合もあります。 また、障害を持った方は、音声ブラウザや点字などで閲覧する場合もあります。 例えば、目が不自由な方は画像が見えないかもしれません。 しかし、HTMLで画像のalt属性を記述していれば、音声ブラウザが画像に指定した代替テキストを読み上げてくれます。 また、<b>タグは「太字」なので音声ブラウザでは反映されないかもしれませんが、 「強調」する<strong>タグを使用すれば、通常のブラウザでは太字に、音声ブラウザでは強く発音されたりします。 このように、ウェブサイトにおいてはアクセシビリティが非常に重要なポイントであり、 誰もが支障なく利用でき、パソコンの環境に依存しない(デバイスインディペンデント) ウェブサイトが求められています。障がいのある方々のインターネット等の利用
利用している 利用していない それ以外・無回答 視覚障害 69.7% 28.6% 1.7% 聴覚障害 81.1% 12.1% 6.7% 肢体不自由 43.6% 52.9% 3.5% 知的障害 19.6% 74.7% 5.6% 総務省 障がいのある方々のインターネット等の利用に関する調査報告書
ヒント
アクセシビリティが低下する要因は下記のようなものが考えられます。 様々な環境(人、パソコン、ソフト)で閲覧されることを意識することが重要です。
- JavaScriptの使用
JavaScriptが動作しないブラウザでも閲覧に支障のないようにします。- Flashの使用
Flashが動作しないブラウザ向けの代替ページを用意します。- 特定のブラウザ限定機能の使用
ブラウザ独自の拡張機能や独自タグなどの使用は避けます。- 特定のOS限定機能の使用
機種依存文字の使用などは避けます。- 誤ったHTMLの記述
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines,ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン)は、W3Cの組織であるWAI(Web Accessibility Initiative,ウェブアクセシビリティイニシアティブ)が公表しているアクセシビリティに関するガイドラインです。 WAIではアクセシビリティを確保するために、WCAGの他に、オーサリングツール・アクセシビリティ・ガイドライン(ATAG)、ユーザーエージェント・アクセシビリティ・ガイドライン(UAAG)、XML・アクセシビリティ・ガイドライン(XAG)を公表しています。WCAG 1.0 ガイドライン
- 聴覚的・視覚的な内容には、同等の役割を果たす代替情報を提供する
- 色だけに頼らない
- マークアップとスタイルシートを適切に使う
- 自然言語の扱い方を明確にする
- 正しく変換されるテーブルを作成する
- 新しいテクノロジーを利用したページは正しく変換さえるようにする
- 時間の経過とともに変化する内容は、ユーザーがコントロールできるようにする
- 文書内に埋め込まれたユーザーインターフェイスは、直接的なアクセシビリティを備えたものにする
- 入出力装置に依存しないようにデザインする
- 暫定的な解決策を採用する
- W3Cにテクノロジーとガイドラインを利用する
- 前後関係や位置を示す情報を提供する
- 明確なナビゲーションの仕組みを提供する
- 文書を明瞭で簡潔なものにする
ウェブコンテンツJISは、日本工業規格(JIS)が公表する日本国内のアクセシビリティ基準です。「JIS X8341-1 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス」の「JIS X8341-3 第三部:ウェブコンテンツ」を指します。
- Browsershots 指定したサイトが、様々なOSとブラウザでどのように表示されるか、自動的にスクリーンショットを取って確認できるサイトです。ブラウザによって表示結果が異なるのが分かります。
- W3C in 7 Points W3Cによるガイドライン。
- WCAG 1.0 日本語訳 W3Cによるガイドライン。
- WCAG 2.0 日本語訳 W3Cによるガイドライン。
- 情報バリアフリー分野の日本工業規格の制定 ウェブコンテンツJISのPDF。
- バリアフリーWebデザインガイド 視覚障害者が利用しやすいページを作るためのノウハウ集。
- Web標準の教科書 アクセシビリティに関することが非常に詳しく書かれています。